介護職として長く働くなら主任を目指しましょう
こんにちは、おりかなです。
私は以前勤めていた職場で、未経験から勤め始めて5年目(介護福祉士になってからだと2年目くらい)に主任になりました。その顛末についてはまた別の記事で述べますが、主任になることでそれまでとは見える世界が変わりました。次の職場では始めから主任として採用され、以来10年近く主任として働くことになりました。
介護職として働く上で、定年まで無印のスタッフで通すことも決して悪いことではないと思います。むしろ利用者さん達と密接に関わろうと思ったら、いちスタッフでいた方が色々なことができるかもしれません。
しかし、介護職として長く働くのであれば、役職者として主任を目指してはいかがでしょうか?
仕事の上で選択肢が広がりますし、より変化のある人生を送ることができると思います。
今回は私の経験も含めて「主任になることのメリット」と、「どうしたら主任になれるか」についてお話しします。先に書いたいくつかの記事のまとめにもなっています。
1.介護主任になるメリット
確かに役職者としての責任と仕事は増えます。しかし主任になると主に次のようなメリットがあります。
1)役職手当てが付く
まず収入が上がります。
2)社会的地位を得られる
例えば恋人の家族に結婚の挨拶にいくとして、介護主任をやってますと自己紹介できた方が良くありませんか? 職場を移るときも履歴書に書けますし、主任の経験があるとアピールできるでしょう。
3)自分で決められることが増える
自分の意見を通す事ができるようになります。シフトを組んだり、その日のリーダーや入浴介助等の役割分担を自分ですることができます。また様々な会議などに参加して直接意見を言う事ができるようになります。いろいろな情報を一般のスタッフよりも早く、時には一般のスタッフが知らない情報も知ることができます。
以上をまとめると
・収入
・社会的地位
・権力(シフトを組めるのは権力ですよ!)
主任になることによってこれらを手に入れることができるようになります。
どうでしょう?
私は介護職の社会的な地位はまだまだ低いと思っています。同窓会などに行って、「私、介護の仕事してるんだ」と言ったときに、割と微妙な反応をされたりします。「ええーっ、すごいじゃん!」とは、まずなりませんよね。他者と比較することはないのかもしれませんが、少しは社会的な地位ってやつが欲しいのです。加えて、私が主任になったときは、前任者が体調不良で退職しようとしており、次期主任の選定にあまり猶予がありませんでした。前任者や事務長や看護部長から「主任やりなよ」と再三せっつかれ、そんなに期待してくれてるんだったら断るのも悪いかなあ、と思って主任になることにしたのです。しかし私は他者に与える印象こそ良いのですが、決してコミュニケーションが得意だったり発信力があったり、場を盛り上げるのが得意だったりするわけではなかったので、主任をしていく上では苦労する事も多かったです。まあそれはまた別に機会に述べようと思いますが。
でも、そんな私でも、いままで10年以上にわたってこの仕事を続けてこられたのは、主任をやっていたからかもしれません。ただの介護職だったら嫌になって辞めていたかもしれません。主任をやるということは、介護職としての日々に適度な刺激と負荷と達成感を与えてくれるものなのです。
2.どうやって主任になるか
それではどうしたら主任になることができるか、具体的な方法をお話しします。
まず最初に断っておきますが、自分の力だけで主任になることはできません。人事権のある上司(看護部長や介護長、そして前任の主任など)から主任として選ばれる必要があります。なので、上司へのアピールは必須です。それから、同僚に推されること。上司達のあいだで次の主任候補が選ばれる際に考慮されるのは、単に人気があるからではなく、主任になった後にちゃんとやっていけるかどうかです。主任になったはいいけれど、部下の人望がなくて誰もついてこなかった、では立つ瀬がありません。主任になったけど数年で退職してしまう人も結構いるのです。主任に「なる」ことと主任として「やっていく」ことは違うのです。
それはさておき、主任になるためのプロセスをまとめると以下のようになります。
1)上司に選ばれること
任命権を持っているのは上司です。しかし上司に選ばれるためには
2)同僚に選ばれること
他の職員との関係性も上司は考慮します。主任になっても部下がついてこないようでは困ります。そのためには
3)利用者に選ばれること
利用者に求められるスタッフであることです。そのためには、本業である介護技術が一流であること、そして利用者中心のケアができていることが必要です。主任は他のスタッフのロールモデルになることが求められます。もうひとつ、主任は時に孤独であります。スタッフとの人間関係が上手くいかないときでも利用者からの「ありがとう」の一言で救われるときもあります。利用者に選ばれる職員であることが介護福祉士としての自信につながるのです。
以上、3つ挙げてみましたが、時系列的な順番としては本来は3)→2)→1)になるでしょうか。
仕事ができる→同僚に一目おかれる→上司に認められる
と言うことです。
もうひとつのポイントとして
仕事を辞めないこと
があります。せっかく主任として育成しても、すぐ辞めてしまう人では任命する側としては意味がありません。なので長く働く意思のある人が選ばれます。具体的には、自分の名前が勤務表の上の方に載っている方がいい。フロアでいちばんの古株を目指しましょう。その上で、主任のポストに空席ができたら、もしくは新たな主任候補を選出することになったら、チャンスです。その時に自分が選ばれるように、普段から上司へのアピールもしておきましょう。
上司へのアピールの仕方
1)「僕、主任になりたいんです」と言っておく。
そう宣言することで、順位はともかく「次期主任の候補者リスト」に入ることができます。もし主任になれなかったとしても何故なれなかったのか、アドバイスを貰えるでしょう。スタッフによっては、主任に選ばれると尻込みして辞退する人もいます。選ぶ方としても、快く引き受けて欲しいものなので、自分だったら喜んで主任を引き受けますと伝えておきましょう。
2)提出書類をいつも丁寧に作成し期限内に出す
研修報告書など、部長や施設長の判子を押すような書類を作成するときに、クオリティの高いものをきちんと期限内に提出します。几帳面さや書類作成能力をアピールできます。役職者になると何かと文書作成の機会も増えますが一般の職員でも文書作成の機会は結構あります。その時に、ああ、この人は文章が読みやすいな、上手だなと思われるような文章を書くこと。例えば入所者の家族に渡すような書類でも、誤字脱字なく、敬語などがきちんと使えていると上司から信頼感を持たれます。介護職員のなかには文章の得意でない人が結構いるので、文章の上手な人は強く印象に残ります。報告書などは自分の書いた文章を上司に読んでもらえるいい機会です。注力しましょう。
3)報告や相談をまめにして上司をサポートする
意見を求められたときは必ず何か言いましょう。報告や相談をまめにする事で上司と日常的にコミュニケーションをとれるようになります。そうすると上司が普段何を考えているかわかるので、上司の仕事をサポートできるようになります(それがつまり主任の役割です!)。ポストが空いたときに引き上げてもらいやすくなります。ただし相談などはネガティブなものはNGです。同僚の悪口もNG。あなたの評価を低くしてしまいます。あくまでも客観的でポジティブな言葉を話しましょう!
4)資格をとる
主任に必須の資格はありませんが「実習指導者」や「介護支援専門員」の資格を取っておけばグッと近道になります。資格取得のための費用を職場が負担してくれる場合もあるので上司に相談してみましょう。
5)休まない、風邪を引かない
主任はある意味体力勝負なところがあります。常日頃から健康管理ができて欠勤しない事は最低限のことです。休みがちな人は選ばれません。
まとめ
以上となります。
主任を目指す人にとって取るべきスタンスは、
「日々の仕事をキチンとこなしつつ、上司がしている仕事にもちょっと興味をもってサポートすること」
となるでしょうか。主任のポストはいつ空きができるかわかりません。準備をしながら待ちましょう。努力は必要ですが、無理をする必要はありません。健闘を祈ります。
おまけに。
主任はパーフェクトでなくてもいい。不器用でもいいのです。なぜなら部下の中にも不器用な人がいるから。パーフェクトな上司には不器用な部下の悩みが理解できないものです。何でも自分でできる人よりも、上手に他人に甘えて仕事をシェアできる人の方が主任としては良い(潰れにくい)でしょう。
最後に。
あなたの職場には、今、あなたのご両親やあなた自身が介護が必要になったときに「この人にケアしてほしいな」と思える介護職員がいるでしょうか? もしいるのならば、その人こそが次の主任になるべき人です。そしてなにより、あなた自身が、他人からそう思われるような素敵な介護職員になってください。きっとその過程で、あなたは主任になっているはずです。
それでは今回はこの辺で。また記事を更新しますのでお待ちくださいね(*´∀`)♪