東野圭吾を読むなら、まずこの5冊!
「一冊だけ」のつもりが止まらない――東野圭吾入門・絶対に読んでおきたいBEST5
「東野圭吾って、そんなに面白いの?」
そう思っている方がいるなら、ぜひ一度だけ読んでみてほしい。
東野圭吾は、1985年に『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。その後、『秘密』『白夜行』『容疑者Xの献身』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など、ジャンルの異なる数々のヒット作を生み出してきた人気作家です。『容疑者Xの献身』では直木賞と本格ミステリ大賞を受賞しています。
しかし、作品数があまりにも多い。
「いったい最初に何を読めばいいの?」
そこで今回は、東野圭吾を一度も読んだことがない人にこそ読んでほしい5作品を、独断と偏見を交えてランキング。
ミステリー好きはもちろん、「普段あまり小説を読まない」という人にもおすすめしたい5冊です。
第5位 『マスカレード・ホテル』
とにかく読みやすい! 映画感覚で楽しめる東野圭吾
東野圭吾初心者にまずおすすめしたいのが、『マスカレード・ホテル』。
都内で起きた連続殺人事件。残された暗号から、次の犯行現場が一流ホテル「コルテシア東京」であることが判明します。
そこで刑事・新田浩介は、ホテルマンに扮して潜入捜査をすることに。
ところがホテルには、次から次へと「怪しい客」がやってくる。
ホテルマンとして客を守ろうとする女性フロントクラーク・山岸尚美と、犯人を追う刑事・新田。
「客を疑う刑事」と「客を信じるホテルマン」
正反対の価値観を持つ二人のやり取りが、とにかく面白い。
連続殺人の謎だけではなく、ホテルを訪れる人々それぞれの事情も絡み合い、ページをめくる手が止まらなくなります。
「小説はちょっと苦手」という人にも、かなりおすすめ。
東野圭吾への入口としては、最高に入りやすい一冊です。

第4位 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
ミステリーだけじゃない。東野圭吾の「優しさ」に泣く
「東野圭吾=殺人事件とトリック」
そう思っている人がいたら、ぜひ読んでほしいのがこの作品。
ある古い雑貨店に、悩み相談の手紙が届く。
しかし、その手紙には不思議なことが起こる。
時空を超えて、過去から現在へと悩み相談が届いてくるのだ。
悩みを抱えている人。
夢を追うべきか迷っている人。
愛する人のために人生を決断しようとしている人。
それぞれの人生が、思いもよらない形でつながっていきます。
読み進めるうちに、
「人間って、案外捨てたものじゃないな」
と思えてくる。
ミステリーとしての面白さはもちろんですが、この作品の魅力は人と人とのつながりにあります。
2012年に刊行され、中央公論文芸賞を受賞した作品でもあります。
読み終わったあと、誰かに優しくしたくなる。
そんな東野圭吾も、ぜひ知っておいてください。

第3位 『秘密』
「もし、愛する人の心と身体が入れ替わったら?」
東野圭吾を語るうえで絶対に外せない名作。
『秘密』です。
ある事故によって、妻と娘の人生が大きく変わってしまう。
そして、残された夫の前に起こる「あり得ない出来事」。
ここから物語は、単なるミステリーではなくなっていきます。
夫婦とは何なのか。
親子とは何なのか。
愛するということは何なのか。
「家族だからこそ、言えないこと」が、じわじわと胸に迫ってくる作品です。
1999年に日本推理作家協会賞を受賞したことからも、その評価の高さがうかがえます。
そして何より恐ろしいのが、
読み終わったあとに「自分だったらどうする?」と考えさせられること。
東野圭吾は「謎解きの作家」だと思っている人ほど、ぜひ読んでください。

第2位 『白夜行』
これを読まずして、東野圭吾は語れない
東野圭吾の代表作を一冊だけ挙げろと言われたら、候補から絶対に外せないのが『白夜行』。
1973年、大阪の廃墟ビルで質屋を営む男が殺される。
事件は迷宮入り。
そして、被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂という二人の少年少女が、それぞれ別の人生を歩み始めます。
ところが、その周囲では不可解な出来事が次々と起こっていく。
証拠はない。
決定的な証拠もない。
それなのに、読者には何かが見えてくる。
そして19年という時間が流れる――。
集英社も「伏線が幾重にも張られた緻密なストーリー」「壮大なスケール」と紹介している、東野圭吾の代表的長編です。文庫版は864ページ。
「長い!」
と思うかもしれません。
しかし、読み始めたら意外なほど進んでしまう。
むしろ、
「あと100ページしかない。終わらないでくれ!」
となるタイプの小説です。
ただし、この作品はぜひ何も知らずに読んでほしい。
検索もレビューも、できれば読まない。
あらすじを調べすぎない。
そのほうが絶対に面白い。

第1位 『容疑者Xの献身』
東野圭吾初心者が「東野圭吾って、すげえ……」となる一冊
そして、堂々の第1位。
『容疑者Xの献身』です。
これはもう、東野圭吾入門として鉄板でしょう。
ある母娘の前に、突然、取り返しのつかない事件が起きる。
そこへ現れるのが、天才数学者・石神。
彼が母娘を救うために考え出した「完全犯罪」。
しかし、その犯罪を数学者・石神の旧友である物理学者・湯川学が追い始める。
この構図だけでも面白い。
ところが、この作品の本当の凄さは、単なる「犯人当て」ではありません。
「完全犯罪をどうやって成立させたのか?」
という謎を追いながら、読者は次第に、
「そこまでして、なぜ?」
という問いに突き当たります。
そして最後に残るのは、トリックの鮮やかさだけではない。
人を愛するとは何なのか。
「献身」とは何なのか。
その答えを突きつけられた瞬間、ミステリー小説なのに、胸を強く揺さぶられます。
2006年に第134回直木賞と第6回本格ミステリ大賞を受賞した、まさに東野圭吾を代表する一作です。
「東野圭吾を一冊だけ読むなら?」
私は迷わずこれを推します。

東野圭吾、最初の5冊はこの順番で!
,
最後にもう一度。
【東野圭吾入門BEST5】
1位 『容疑者Xの献身』
→ ミステリーと人間ドラマの究極形
2位 『白夜行』
→ 東野圭吾の「闇」にどっぷり浸かる
3位 『秘密』
→ 家族と愛について考えさせられる
4位 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
→ 優しくて、温かくて、最後に泣ける
5位 『マスカレード・ホテル』
→ エンタメ小説として圧倒的に読みやすい
ただし、このランキングには一つだけ問題があります。
一冊読んだら、たぶん次が読みたくなります。
『容疑者Xの献身』を読んで「湯川学、もっと読みたい」となったら、『探偵ガリレオ』シリーズへ。
『白夜行』の暗い世界にハマったら、『幻夜』へ。
『マスカレード・ホテル』が面白かったら、『マスカレード・イブ』『マスカレード・ナイト』『マスカレード・ゲーム』へ。
東野圭吾には、そういう「次の一冊」がいくらでもあります。
そして、これこそが東野圭吾の恐ろしいところ。
「ちょっと読んでみようかな」
から始まって、
気がついたら夜中の2時。
「もう寝なきゃ」と思いながら、
あと10ページ。
そして、
「……あと5ページだけ」
となる。
そんな読書体験をしたことがない方にこそ、ぜひ一度、東野圭吾を読んでみてほしい。
小説って、こんなに面白かったのか。
そう思わせてくれる可能性が、この5冊にはあります。
