あの日は東京で仕事をしていた
フロアじゅうが大きく揺れて
外を見ると隣のビルの避雷針がグラングラン動いていた
別なビルの屋上のタンクからは水が溢れていた
テレビに写る海の映像が信じられなかった
幸い職場では大きな事故はなかったけど
電車も止まって家まで1時間くらい歩いて帰った
バス停はどこも長い列ができていた
すれ違うタクシーはみんな人が乗っていた
その夜はテレビをつけっぱなしにして寝た
ACのCMばかり流れていた
コーヒーに入れる牛乳がなくなったときのために練乳を買った
トイレットペーパーを見かけたら買いだめした
魚を食べるのが怖くなった
福島は昔の恋人の実家があって
相馬の野馬追いを見せてもらったことがあった