見守りは聴き守り
たまには仕事の話を
コロナ禍のせいか
このところ職場で
骨折を伴う転倒事故が立て続けに起きた
職員の介護の仕方が変わったのか
入所者の質が変わったのか
定かではないけれど
いずれの事故も
側に職員がいたら未然に防げたかもしれない
(夜勤中の事故もあるので現実には難しいのだけれど)
さて
介護の仕事で最も基本であり
かつ重要なのが「見守り」である
ただ見ているだけではない
危険予測も行っている
次に入所者がどう動くか
何をしたいのか
起こりうる事故は何か
フロア全体を意識しなければならない
同時に日常の業務をこなす
お茶をいれたりトイレに連れていったり
食事の介助をしたり
すべての業務は見守りをしながら
行われなければならないのだ
「見守りがちゃんとできているか」
が
私は新人のスタッフが
独り立ちできるかどうか判断するための
重要な指標のひとつだと思っている
そして私の考える見守りの極意が
「見守りは聴き守り」
なのである
目でも見ながら
私はフロアの音を聞いている
目は前しか見えないけれど
耳は背後の音も聴くことができる
私が聴くのは
入所者が立ち上がる前の音だ
(歩行の不安定な人が立ち上がると転倒のリスクが高い)
イスを後ろにガガッと動かす音
スプーンを床に落とす音
靴のマジックテープの剥がれる音
車椅子のブレーキを外す音
それから入所者の声
「ちょっとおトイレにいってきます」
と律儀に同じテーブルの人に言ってから
席を立つ人も多い
または
「すみません」
と職員を呼ぶ声
それらに敏感に対応していれば
一人で歩けない入所者が一人で立ち上がる時に
私は必ず側に立っていることができる
でも完璧に見守りすることは難しい
それはどんなにベテランの介護士であっても
難しいことなのだ
そのためにチームワークで
互いに補い合うことが必要なのだ
まとめ
「見守り」は介護の基本にして奥義
「見守り」の奥義は「聴き守り」