ささやき(informations)

どこよりも新しい!  2026年実施 介護福祉士国家試験予想問題!

はじめに

以下は、厚生労働省および試験実施団体の出題範囲・出題基準に基づき(科目構成を確認のうえ)、2026年1月の介護福祉士国家試験で出題される可能性が高いと考えられる「精度の高い予想問題」を各科目ごとに10題ずつ(四肢択一式を中心)作成したものです。想定は公式の4領域・13科目(+総合問題)に準拠しています。出題範囲の確認資料を参考にしています。

各科目ごとに問題(A〜Dの選択肢)を提示し、各科目末尾に模範解答を付けます。末尾に全体の注意点(予想の根拠と出題傾向に関する短い解説)を掲載しています。

目次(科目)

1. 人間の尊厳と自立
2. 人間関係とコミュニケーション
3. 社会の理解
4. 介護の基本
5. コミュニケーション技術
6. 生活支援技術
7. 介護過程
8. 発達と老化の理解
9. 認知症の理解
10. 障害の理解
11. こころとからだのしくみ
12. 医療的ケア
13. 総合問題(事例横断)

1. 人間の尊厳と自立(10問)

1. 介護における「インフォームド・コンセント」の最も適切な説明はどれか。
A. 介護者が最終判断を行うこと。 B. 本人に十分な説明をしたうえで意思決定を支援すること。 C. 家族だけで意思決定すること。 D. 医師だけが情報提供すれば足りること。


2. 要介護者の自己決定を支援する姿勢で最も重要なのはどれか。
A. 介助者の価値観を優先する。 B. 本人の価値観・希望を確認し尊重する。 C. 家族の意向に従わせる。 D. 法律で決められた方法に従わせる。


3. 高齢者のプライバシー保護について、施設がまず行うべき対応はどれか。
A. 全員の同意があれば個別記録を共有する。 B. 個人情報の取り扱い基準を定め、必要最小限の共有に留める。 C. 介護職員全員で自由に情報交換する。 D. 家族の希望があれば無条件で開示する。


4. 尊厳の保持に関する倫理的なジレンマの例として適切なのはどれか。
A. 本人が拒否するが療養上必要な処置を家族が望む場合。 B. 日常の移動補助を行うこと。 C. 食事提供を行うこと。 D. 就寝時間を守ること。


5. 成年後見制度の説明で正しいものはどれか。
A. 本人のすべての権利が剥奪される。 B. 判断能力が不十分な者の権利保護を目的とする制度である。 C. 介護保険とは同じ制度である。 D. 必ず家族が後見人になる。


6. 尊厳あるケアとして「アドボカシー(擁護)」の役割に最も近いものはどれか。
A. 本人の意思を代弁し、権利が侵されないよう支援すること。 B. 介護方針を押し付けること。 C. 利用者の費用を負担すること。 D. 医療処置を代わりに行うこと。


7. ケアプラン作成時の倫理的配慮で適切なのはどれか。
A. 本人の価値観を無視して効率を優先する。 B. 本人・家族と十分に協議し合意を得る。 C. 他施設の方針をそのまま適用する。 D. 介護職員の利便性を最優先する。


8. 介護場面での差別的言動に対応する最も適切な初動はどれか。
A. 放置する。 B. 当事者の安全を確保した上で事実関係を確認し対応する。 C. ただちに解雇する。 D. 家族にのみ伝える。


9. 尊厳死に関する議論で「自己決定」に含まれるものはどれか。
A. 本人の意思に基づく終末期の医療選択。 B. 家族の判断のみ。 C. 医療者の判断のみ。 D. 法律で禁止されている行為のみ。


10. 介護サービス提供における「虐待防止」の第一歩として最も重要なのはどれか。
A. 虐待の疑いがあっても確認を行わない。 B. 職員の教育研修と要注意観察により早期発見に努める。 C. 家族の要求を無条件に受け入れる。 D. すべての苦情を黙認する。



解答(1)B (2)B (3)B (4)A (5)B (6)A (7)B (8)B (9)A (10)B

2. 人間関係とコミュニケーション(10問)

1. 高齢者と意思疎通する際の原則で最も適切なのはどれか。
A. 自分の話を中心にする。 B. 聴く姿勢を示し、相手の話を促す。 C. 早口で説明する。 D. 技術用語を多用する。


2. 傾聴の技法に含まれないものはどれか。
A. 相槌を打つ。 B. 繰り返しや要約で確認する。 C. 聞き手が自分の経験を語る。 D. 感情の表出に共感を示す。


3. 認知症高齢者の会話中に見られる「体験の再構成」に対応する適切な方法はどれか。
A. 間違いを厳しく指摘する。 B. 現実検討を強要する。 C. その人が安心できる話題に寄り添う。 D. 会話を続けず放置する。


4. 多職種チームでの情報共有で最も重要なのはどれか。
A. 情報は口頭だけでよい。 B. 必要な情報を適切な形式で記録・共有する。 C. 他職種の判断を排除する。 D. 全員に全ての情報を公開する。


5. 家族からの苦情対応で最も適切な初動はどれか。
A. 感情的に反論する。 B. 話をよく聴き、事実確認と謝意を示す。 C. 無視する。 D. すぐに法的手続きを取る。


6. 文化的背景が異なる利用者と接する際の配慮で適切なのはどれか。
A. 一律の対応で済ませる。 B. 文化的価値や習慣を理解し尊重する。 C. 利用者に合わせさせる。 D. 翻訳アプリに頼るのみでよい。


7. 非言語コミュニケーションの例として最も適切なのはどれか。
A. 発言の内容のみを見る。 B. 表情・姿勢・視線・声のトーンなどを観察する。 C. 書類だけを重視する。 D. 言語以外は無視する。


8. 利用者の拒否や抵抗に対する最も適切な対応はどれか。
A. 無理に行為をすすめる。 B. 拒否の意味を確認し、代替案を検討する。 C. 他の職員に押し付ける。 D. 即座に処罰する。


9. コミュニケーション障害のある利用者に対する支援で正しいのはどれか。
A. 1つの方法で固定する。 B. 多様な方法(図表、簡潔な言葉、身体的支援)を試みる。 C. 交流を避ける。 D. 家族だけに任せる。


10. 苦情・相談記録で必要とされる事項に含まれないものはどれか。
A. 事実の記録 B. 対応経過と結果 C. 職員の個人的感想(憶測) D. 利用者の希望・要望



解答(1)B (2)C (3)C (4)B (5)B (6)B (7)B (8)B (9)B (10)C

3. 社会の理解(10問)

1. 介護保険制度で利用者が負担する原則的な割合はどれか(原則)。
A. 全額負担 B. 1割(所得に応じて2〜3割等の場合あり) C. 無料 D. 5割


2. 介護保険の被保険者の区分で第1号被保険者はどれか。
A. 65歳以上の者 B. 40〜64歳の医療保険加入者 C. 39歳以下の者 D. 事業主


3. 高齢者虐待防止法の施策に含まれるものはどれか。
A. 虐待通報制度と支援の仕組み整備 B. 虐待は家族内の問題なので介入しない C. 虐待は公表すべきでない D. 施設は責任を負わない


4. 障害者差別解消法の目的で正しいものはどれか。
A. 障害を理由とする不当な差別を解消し、合理的配慮を促進する。 B. 障害者を隔離すること。 C. 企業の責任を免除すること。 D. 法的措置を禁じること。


5. 地域包括支援センターの主な機能に含まれないものはどれか。
A. 高齢者の総合相談支援 B. 権利擁護 C. 社会福祉士による司法判断 D. 介護予防の支援


6. 医療と介護の連携で必要な情報共有項目に該当しないのはどれか。
A. アレルギー情報 B. 家族の収入(診療に無関係) C. 現病歴と服薬状況 D. 緊急時の連絡先


7. 介護保険制度のサービスに含まれないものはどれか。
A. 訪問介護 B. デイサービス C. 住宅改修費の助成 D. 住宅の売買代行


8. 高齢者の孤立対策で市町村が行う支援として適切でないものはどれか。
A. 見守りサービスの導入 B. 地域サロンの開催 C. 強制的な居住移転 D. 情報提供と相談窓口の整備


9. 成年年齢の引き下げ(法改正)の介護現場での影響として考えられるものはどれか。
A. 契約締結に関する本人確認の在り方の見直し B. 無関係である C. 介護保険制度の廃止 D. 介護職員減少


10. 社会保障の三本柱に含まれないものはどれか。
A. 公的年金 B. 公的医療保険 C. 教育支援(一般的には社会保障の枠外) D. 介護保険



解答(1)B (2)A (3)A (4)A (5)C (6)B (7)D (8)C (9)A (10)C

4. 介護の基本(10問)

1. 介護職としての基本姿勢で最も重要なのはどれか。
A. 利用者の尊厳を守る姿勢 B. 仕事の効率のみを追求すること C. 家族の要望を最優先すること D. 計画だけで実行しないこと


2. バリアフリーの定義として正しいものはどれか。
A. 全ての人が利用しやすいように建物等を設計すること。 B. 高齢者専用の設備だけを指す。 C. 車椅子専用のみを意味する。 D. 一部の人だけを優遇すること。


3. 介護記録の目的で誤っているものはどれか。
A. 利用者の状態把握 B. 法的根拠の保存 C. 個人の感情的評価を主に記載すること D. 多職種間の情報共有


4. 終末期ケアにおける適切な対応として最もふさわしいものはどれか。
A. 痛みなどの苦痛を緩和する支援に努める。 B. 家族の意向のみで延命治療を決定する。 C. 情報を一切伝えない。 D. 患者の訴えを否定する。


5. 高齢者の栄養管理で「低栄養」予防に重要なのはどれか。
A. 食事の量を一定にするのみ B. 食事の質(タンパク質等)と個別支援の調整 C. 絶食させる D. 水分制限のみ行う


6. 移動・移乗の際のリスクアセスメントで最も重要なのはどれか。
A. 利用者の残存能力と安全確認を行うこと。 B. 毎回機械に頼ること。 C. 介助者だけで判断すること。 D. 速さのみを重視すること。


7. 口腔ケアの目的で正しくないものはどれか。
A. 飲み込みや誤嚥予防に寄与する。 B. 口腔内の細菌量を減らす。 C. 口腔ケアは口腔以外に影響しない。 D. 全身状態の改善に関係する。


8. 生活の質(QOL)向上の観点で誤っているものはどれか。
A. 本人の価値観に基づく支援を行う。 B. 自律性の尊重を図る。 C. すべての決定を職員が行うことがQOL向上に直結する。 D. 社会参加機会を支援する。


9. 介護職の安全管理で最も優先されるのはどれか。
A. 利用者の安全と職員の安全を両立する仕組みを作る。 B. 利用者のみを優先し職員の安全を無視する。 C. 職員のみを保護し利用者の安全を無視する。 D. 何もしない。


10. 介護福祉士の倫理綱領に該当しないものはどれか。
A. 利用者の尊厳を守る B. 個人情報を保護する C. 利用者を商品扱いする D. 専門性の向上に努める



解答(1)A (2)A (3)C (4)A (5)B (6)A (7)C (8)C (9)A (10)C

5. コミュニケーション技術(10問)

1. 短時間で相手の理解を確認する最も有効な方法はどれか。
A. 一方的に話す。 B. 要約してもらう(リフレクション)。 C. 別の話題に移る。 D. 長文の説明を書く。


2. 高齢者の感情が高ぶっている時の対応で適切なのはどれか。
A. 大声で叱る。 B. 落ち着いた態度で傾聴し安全を確保する。 C. その場を離れるだけでよい。 D. 無視する。


3. 支援会議でのファシリテーションの役割に含まれないものはどれか。
A. 発言を促す。 B. 話題を整理する。 C. 一人の意見だけを押し通す。 D. 合意形成を支援する。


4. 非暴力的コミュニケーション(NVC)の特徴として正しいものはどれか。
A. 相手を非難する言葉を使う。 B. 事実→感情→ニーズ→お願いの順に表現する。 C. 命令口調で指示する。 D. 感情を抑えて無表情で接する。


5. 認知症の人の妄想に対する適切な応答はどれか。
A. 妄想を全否定する。 B. 妄想の裏にある感情に注目して共感する。 C. 嘲笑する。 D. 放置する。


6. 家族との面談で情報を伝える際の留意点で誤っているものはどれか。
A. 専門用語は避けわかりやすく話す。 B. 重要な事項は書面で確認をとる。 C. 面談を一度で全て終わらせるべきで、再確認は不要である。 D. 家族の意向を聴取する。


7. 聴覚障害のある利用者への対応で適切なのはどれか。
A. 目線を合わせ、ゆっくりはっきり話す(必要に応じて筆談等を用いる)。 B. 大声だけで解決する。 C. 話しかけず会話を諦める。 D. 周囲の人に任せる。


8. 患者説明(インフォームド・アセント)で重要なのはどれか。
A. 本人の意思決定能力に応じた情報提供を行う。 B. 常に専門的用語を使う。 C. 情報は与えない方がよい。 D. 家族だけに説明する。


9. 退院支援時のコミュニケーションで最も重要なのはどれか。
A. 退院後の生活の見通しや支援体制を本人・家族と共通理解すること。 B. 医療機関の都合だけを優先すること。 C. 書類だけ渡せばよい。 D. 口頭のみで済ませる。


10. エンパワメントを促す支援の特徴はどれか。
A. 本人の能力を引き出し自立を支援する。 B. すべて職員が代行する。 C. 依存を促す。 D. 情報を隠す。



解答(1)B (2)B (3)C (4)B (5)B (6)C (7)A (8)A (9)A (10)A

6. 生活支援技術(10問)

1. 摂食・嚥下障害が疑われる利用者に対する初期対応で不適切なのはどれか。
A. 飲み込みの観察を行う。 B. 速やかに飲食を続けさせる。 C. 言語聴覚士への相談を検討する。 D. 安全な姿勢の確認を行う。


2. 排泄ケアで褥瘡(床ずれ)予防につながるものはどれか。
A. 体位変換を定期的に行う。 B. 同じ姿勢を続ける。 C. 不衛生な環境を放置する。 D. 栄養評価を行わない。


3. 入浴介助で最も留意すべき点はどれか。
A. 温度管理と安全確保(転倒・心肺負荷の配慮)。 B. 高温で短時間のみ行えばよい。 C. 利用者の希望は無視する。 D. 自由に入らせるだけでよい。


4. コミュニティでの買い物支援における配慮で誤っているものはどれか。
A. 利用者の選択を尊重する。 B. 支援の度合いを本人に合わせて調整する。 C. 支援者が一方的に商品を選ぶ。 D. 交通手段の安全性を確認する。


5. 日常生活動作(ADL)評価で「自立」と評価される条件はどれか。
A. 他者の全面的介助が必要である。 B. 本人がほぼ独力で行える。 C. 常に見守りが必要である。 D. いつも介助が必要である。


6. 口腔ケアの具体的手技で誤っているのはどれか。
A. 歯ブラシの持ち方に注意する。 B. うがいが困難な場合は吸引等で安全に処理する。 C. 乾燥を放置してよい。 D. 食後に行うなどタイミングを配慮する。


7. 清潔ケアで感染予防のために必須なのはどれか。
A. 手洗い・手指衛生の徹底。 B. 手袋着用は不要。 C. 環境清掃を行わない。 D. 使い捨て品を使わない。


8. 着替え介助で本人の残存機能を活かすために適切なのはどれか。
A. できる動作は本人に任せ部分的に介助する。 B. すべて職員が代行する。 C. 無理に速く着替えさせる。 D. 装具の調整をしない。


9. 排泄の意思表示が困難な利用者のアプローチで適切なのはどれか。
A. 排泄パターンを観察し予測して支援する。 B. 放置する。 C. 無理にトイレへ連れて行くのみで記録しない。 D. 家族だけに任せる。


10. 住環境整備における合理的配慮の例として適切でないものはどれか。
A. 手すりの設置 B. 段差解消 C. 利用者の趣味を完全に否定する改修 D. 照明の改善



解答(1)B (2)A (3)A (4)C (5)B (6)C (7)A (8)A (9)A (10)C

7. 介護過程(10問)

1. アセスメントの目的として最も適切なのはどれか。
A. 利用者のニーズ・問題を把握し支援計画に反映すること。 B. 書類を埋めるためだけに行うこと。 C. 介護職員の都合を優先すること。 D. 家族の希望だけで決めること。


2. 因果関係を考慮した問題の優先順位付けで適切なのはどれか。
A. 重大で改善の余地が大きい問題から対応する。 B. 小さな問題から片付ける。 C. 問題を放置する。 D. 家族の気分次第で決める。


3. 目標設定(ケア目標)でSMARTのSは何を示すか。
A. Specific(具体的であること) B. Simple C. Standard D. Safe


4. 実施と評価のサイクルで評価が意味を持つために必要なのはどれか。
A. 目標が具体的で測定可能であること。 B. 目標を曖昧にする。 C. 評価を飛ばして実施のみ行う。 D. 一回限りで評価は不要。


5. 介護過程における多職種連携で重要でないものはどれか。
A. 共通の目標設定 B. 役割分担の明確化 C. 情報共有の怠慢 D. 定期的なカンファレンス


6. ケアプランの見直しのタイミングで適切なのはどれか。
A. 状態変化があったとき、定期的に評価を行うとき。 B. 状態が変わらなくても見直さない。 C. 家族の気分だけで変える。 D. 職員の都合で頻繁に変える。


7. リスクマネジメントの手法で適切なのはどれか。
A. リスクの特定→評価→対策→再評価の循環を行う。 B. 起きてから対応するのみ。 C. リスクを無視する。 D. 対策を行わない。


8. 介護過程で使われる記録様式として一般的でないものはどれか。
A. SOAP(主観・客観・評価・計画) B. 電子的な介護記録 C. 口頭のみの非記録 D. チェックリスト方式


9. 目標が未達成の場合の適切な対応はどれか。
A. 原因を分析し目標や方法を修正する。 B. そのまま放置する。 C. 本人を責める。 D. 家族に隠す。


10. ケアプラン作成時に必須の項目でないものはどれか。
A. 利用者のニーズと目標 B. 実施するサービス内容 C. 介護職員の個人的評価(主観のみ) D. 評価方法と頻度



解答(1)A (2)A (3)A (4)A (5)C (6)A (7)A (8)C (9)A (10)C

8. 発達と老化の理解(10問)

1. 加齢に伴う身体変化で一般的にみられるものはどれか。
A. 筋肉量の減少(サルコペニア) B. 筋肉量が増加する C. 全く変化しない D. 脳が拡大する


2. 老化による感覚機能の変化で誤っているものはどれか。
A. 視力・聴力の低下が起こることがある。 B. 味覚が鋭敏になる。 C. 平衡感覚の低下が転倒リスクを高める。 D. 触覚感度の低下が生じることがある。


3. フレイルの概念で正しいものはどれか。
A. 加齢に伴う心身の脆弱性で介入により回復しうる状態を含む。 B. 若年者のみが対象である。 C. 完全に不可逆である。 D. 運動とは無関係である。


4. 高齢者の睡眠パターンの変化として一般的なものはどれか。
A. 睡眠の浅さと中途覚醒の増加 B. 深い睡眠が増える C. 睡眠時間が著しく増えることが常である D. 時差のように完全に入れ替わる


5. 加齢による認知機能変化で正常加齢と病的変化を区別する際に重要なのはどれか。
A. 日常生活への影響の有無 B. 単に記憶力が低下しているだけで区別できない C. 年齢だけで判断する D. 家族の意見のみで診断する


6. 筋力低下予防に有効なのはどれか。
A. 抵抗運動(レジスタンストレーニング)や適切な栄養補給 B. 完全安静のみ C. 栄養を与えない D. 有酸素運動のみで全て解決する


7. 骨粗鬆症のリスクを高める因子でないものはどれか。
A. 高カルシウム摂取 B. 低体重 C. 喫煙 D. 運動不足


8. 老年期うつの症状で誤っているものはどれか。
A. 意欲低下や不眠、食欲低下がみられることがある。 B. 症状が全く心身に影響しない。 C. 病的な場合は治療が効果的である。 D. 他の身体疾患と鑑別が必要である。


9. 高齢者に対する健康教育で重要なのはどれか。
A. 個々の生活背景に合わせた実践的な指導 B. 一律の講義のみで十分である C. 情報は与えるだけでよい D. 家族を排除して行う


10. 老化に伴う内臓機能の変化で注意すべき点はどれか。
A. 肝・腎機能低下により薬物代謝や排泄が変化するため投薬に注意が必要である。 B. 薬物代謝は変わらないので同じ量でよい。 C. 内臓は常に若返る。 D. 薬物の副作用は無視してよい。



解答(1)A (2)B (3)A (4)A (5)A (6)A (7)A (8)B (9)A (10)A

9. 認知症の理解(10問)

1. 認知症の中で最も頻度が高い原因疾患はどれか。
A. アルツハイマー型認知症 B. ピック病 C. 脳腫瘍 D. 先天性疾患


2. 認知症のBPSD(行動・心理症状)に含まれないものはどれか。
A. 幻覚 B. うつ症状 C. 高血圧 D. 不穏・徘徊


3. 認知症ケアで用いられる「回想療法」の目的はどれか。
A. 過去の良い記憶を引き出し情緒の安定を図る。 B. 記憶を完全に消去する。 C. 新しい技能を強制する。 D. 医療処置を省略する。


4. 認知症早期診断の利点で正しいものはどれか。
A. 適切な治療・支援計画の早期開始が可能になる。 B. 何も変わらない。 C. 悪化を早める。 D. 家族の負担を増やすのみである。


5. 認知症に伴う摂食行動の変化(過食・拒否)への対応で適切なのはどれか。
A. 食環境の調整や食形態の工夫、専門職連携を行う。 B. 無視する。 C. 強制的に食べさせる。 D. 水分を与えない。


6. 認知症のケアにおけるスムーズな環境調整の例でないものはどれか。
A. 見通しのある環境作り B. 過剰な刺激を避ける C. ラベリングや分かりやすいサインを使う D. 間違いを過度に指摘し訂正する


7. 認知症の薬物療法で一般に用いられる薬剤群はどれか。
A. コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬 B. 抗生物質 C. 降圧薬 D. インスリン


8. 夜間のせん妄と認知症の症状を区別する際に重要なのはどれか。
A. 症状の急性発症と変動性(せん妄)は急性対処が必要である。 B. どちらも放置してよい。 C. どちらも同じ対応で必ず良くなる。 D. せん妄は慢性的で変化しない。


9. 認知症の家族支援で重要なのはどれか。
A. 情報提供・相談支援・レスパイト(休息)の提供を含む包括的支援。 B. 家族にすべて任せる。 C. 家族の負担は無視する。 D. 医療のみに限定する。


10. 早期認知症で本人の能力維持を促す支援として適切なのはどれか。
A. 作業療法や認知訓練、社会参加の促進 B. 全面的な介助で何もしない C. 孤立させる D. 生活を全て管理する



解答(1)A (2)C (3)A (4)A (5)A (6)D (7)A (8)A (9)A (10)A

10. 障害の理解(10問)

1. 障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」の説明で正しいのはどれか。
A. 障害を理由とする差別をなくし、過度な負担とならない範囲で調整を行うこと。 B. 障害者の全要求を無条件で叶えること。 C. 施設は何もする必要がない。 D. 法律の対象外である。


2. 発達障害の特徴に当てはまらないものはどれか。
A. 社会的コミュニケーションの困難さ B. 常同行動や興味の偏り C. 一切の学習能力の欠如(必ずしも該当しない) D. 感覚過敏や鈍麻がある場合がある


3. 障害を持つ利用者への支援で重要なのはどれか。
A. 環境調整と本人の強みを活かす支援の実施。 B. 障害を無視する。 C. 同一の支援を全員に画一的に行う。 D. 施設の都合を優先する。


4. 車椅子利用者の介助で誤っているのはどれか。
A. 階段の昇降を介助なしで無理に行う。 B. 安全確認と固定を行う。 C. 利用者の意向を確認する。 D. バリアに応じた移動方法を検討する。


5. 聴覚障害者とのコミュニケーションで有効なのはどれか。
A. 視覚情報(筆談、手話、ジェスチャー)を活用する。 B. 大声で話せば必ず伝わる。 C. 話しかけない。 D. スマホだけに頼る。


6. 知的障害のある人への支援で適切なのはどれか。
A. 分かりやすい言葉と具体的な手順提示、繰り返しの支援。 B. 抽象的な説明のみ行う。 C. すぐに放置する。 D. 罰で行動を変えさせる。


7. 障害のある人の自己決定支援で最も重視されるのはどれか。
A. 本人の意思を尊重し可能な限り選択肢を提供すること。 B. 家族の意思のみを優先する。 C. 施設規則通りに一律扱う。 D. 判断を勝手に代行する。


8. 障害者の就労支援に関して正しい説明はどれか。
A. 就労支援は職場適応や合理的配慮の導入を通じて継続雇用を支援する。 B. 障害者は就労できない。 C. 就労支援は医療だけで完結する。 D. 支援は不要である。


9. 補装具(義肢・装具)使用者への配慮で誤っているものはどれか。
A. 装具の調整や点検を行う必要がある。 B. 装具を使用している人に過度な運動を強いることは避ける。 C. 装具は常に外しておくべきである。 D. 装具の使用目的を理解して支援する。


10. 障害理解教育の目的として最も適切なのはどれか。
A. 偏見を減らし共生社会を推進すること。 B. 障害者を隔離すること。 C. 教育は不要である。 D. 法律のみ学べばよい。



解答(1)A (2)C (3)A (4)A (5)A (6)A (7)A (8)A (9)C (10)A

11. こころとからだのしくみ(10問)

1. 心臓の基本的な働きで正しいものはどれか。
A. 血液を全身に送り出すポンプ機能を持つ。 B. 消化を促進する。 C. 呼吸を直接行う。 D. 骨格を形成する。


2. 呼吸器系の感染予防で注意すべきことはどれか。
A. 手指衛生と適切なマスク着用、環境の換気。 B. 換気は不要である。 C. マスクは常に外すべきである。 D. 手指衛生は意味がない。


3. 糖尿病の合併症で正しいものはどれか。
A. 糖尿病性神経障害や網膜症、腎症が生じうる。 B. 合併症は一切起こらない。 C. 合併症はすべて回避できる。 D. 糖尿病は介護に関係ない。


4. 体温調節機能が低下した高齢者で注意する必要があるのはどれか。
A. 低体温や熱中症など温度変化に対する脆弱性。 B. 体温は常に正常である。 C. 温度管理は不要。 D. 体温は年齢で変わらない。


5. 感染症対策で用いる標準予防策(スタンダードプリコーション)に含まれるものはどれか。
A. 手指衛生、手袋、マスク等を状況に応じて使用する。 B. 何もしない。 C. 汚物は素手で処理する。 D. 手袋だけで十分である。


6. 排泄に関わる泌尿器系の特徴で正しいものはどれか。
A. 尿路感染症のリスクが高齢者で上がることがある。 B. 年齢で全く変化しない。 C. 常に頻尿になるとは限らないがリスク要因は増える。 D. 泌尿器は介護に無関係である。


7. 脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症として起こりうるものはどれか。
A. 麻痺や言語障害、感覚障害などが生じうる。 B. 何も生じない。 C. 常に回復が完全である。 D. 脳卒中の後遺症は精神面にのみ影響する。


8. 疼痛(痛み)のアセスメントで最も重要なのはどれか。
A. 利用者の主観的訴えを適切に聴取すること。 B. 見た目で痛みを決めつける。 C. 職員の判断のみで評価する。 D. 痛みは年齢のせいで仕方ないと放置する。


9. 薬の「相互作用(薬物相互作用)」で注意すべき点はどれか。
A. 複数薬剤の併用により効果増強や副作用が出る場合があるため確認が必要である。 B. どの薬でも併用は安全である。 C. 薬は常に単独で使われる。 D. 薬の情報は医師のみが知っていればよい。


10. 栄養と免疫の関係で正しいものはどれか。
A. 栄養状態が免疫力に影響を与え、低栄養は感染リスクを高める。 B. 栄養状態は免疫に影響しない。 C. 過度の栄養制限は推奨される。 D. 水分は免疫に無関係である。



解答(1)A (2)A (3)A (4)A (5)A (6)A (7)A (8)A (9)A (10)A

12. 医療的ケア(10問)

1. 医療的ケアの実施に当たり、介護福祉士が遵守すべき最優先事項はどれか。
A. 医師の指示に基づき安全に実施すること。 B. 自分の判断のみで行うこと。 C. 必要時であれば勝手に中止する。 D. 指示は不要である。


2. 経管栄養(経鼻・PEG)の管理で重要なのはどれか。
A. 管の位置確認、栄養剤の温度・濃度、感染対策、誤嚥防止。 B. 位置確認は不要である。 C. 管はいつも同じ手順で良い。 D. 管の管理は家族だけの役割である。


3. 喀痰吸引に関する記述で正しいものはどれか。
A. 指示や研修を受けた者が行い、適応や手技、感染対策に留意する。 B. 研修不要で誰でもできる。 C. 吸引は常に行えば良い。 D. 手技は雑でも差し支えない。


4. 在宅酸素療法(HOT)の利用時に注意すべき点はどれか。
A. 火気厳禁、機器の管理、酸素濃度と流量の確認、緊急時対応の周知。 B. 火気の使用は自由である。 C. 機器の点検は不要である。 D. 流量は適当に変えてよい。


5. 褥瘡の処置で誤っているのはどれか。
A. 創部の清潔保持と壊死組織の管理、圧迫除去が必要である。 B. 褥瘡は自然放置が最も良い。 C. 栄養管理も重要である。 D. 圧力分散を図る。


6. 経管栄養中の誤嚥性肺炎予防で適切なのはどれか。
A. 体位管理(頭部挙上)と注入速度の管理、口腔ケア。 B. 水平位での注入が最適である。 C. 口腔ケアは不要である。 D. 注入速度は速ければよい。


7. 点滴静脈投与に関する介護職の関与で正しいものはどれか。
A. 観察(浸出・発赤・疼痛等)の報告と基礎的ケアは行うが投与そのものは医療者の指示に従う。 B. 自由に薬剤を注入してよい。 C. 投与量を自分で決める。 D. 点滴の観察は不要である。


8. 感染症流行下での施設運営上、最も重要なのはどれか。
A. 感染予防策の徹底と発生時の早期対応(通報・隔離・濃厚接触者対応)。 B. 何もしない。 C. 利用者を密に集める。 D. 職員だけで対処する。


9. 呼吸リハビリテーションで期待される効果で誤っているものはどれか。
A. 呼吸筋の強化により日常活動の持久力が向上する可能性がある。 B. 呼吸リハは全く効果がない。 C. 呼吸訓練は常に医療者と連携して行う。 D. 機器や運動の併用が有効な場合がある。


10. 医療的ケアを行う際の家族への説明で不必要なのはどれか。
A. ケアの目的・方法・リスク・緊急時対応を説明する。 B. 説明は一切不要である。 C. 同意(説明と同意)を得る努力をする。 D. 家族の不安を軽減する支援を行う。



解答(1)A (2)A (3)A (4)A (5)B (6)A (7)A (8)A (9)B (10)B

13. 総合問題(事例横断:10問)

(以下は事例問題を基にした選択式問題です。設問は短縮形で示します。)

事例) 87歳女性、独居、認知症(中等度)、糖尿病あり。最近転倒が増え食欲低下、ADLは部分介助を要する。近隣の地域包括支援センターから訪問介護を開始した。家族は近隣に居住。

1. 訪問介護職が最初に行うべきアセスメントはどれか。
A. 全身状態、栄養状態、住環境、認知機能、転倒リスクの評価。 B. すぐに入院手続きをする。 C. 家族の金銭事情のみ調べる。 D. 何も評価しない。


2. 栄養不良が疑われる場合の優先的対応として適切なのはどれか。
A. 食事形態の工夫、栄養士や医師と連携した栄養支援の検討。 B. 食事を制限する。 C. 介助を全て中止する。 D. 水分のみ与える。


3. 転倒予防の介入で効果的でないものはどれか。
A. 体力・バランス訓練、住環境整備、薬剤(副作用)確認 B. 部屋を暗くする C. 照明改善や手すり設置 D. 靴の改善や滑り止めの導入


4. 認知症の中等度の症状を踏まえたコミュニケーションで適切なのはどれか。
A. 短く分かりやすい言葉で話し、落ち着いた環境を作る。 B. 複雑な説明を一度に行う。 C. 本人の話を否定する。 D. 会話を避ける。


5. 家族支援で訪問介護職が提供すべき支援として正しいものはどれか。
A. 情報提供、相談窓口の案内、レスパイトサービスの紹介 B. 家族を責める C. 全て任せて放置する D. 家族に無断でサービスを変更する


6. 医療連携で訪問介護が医師に報告すべき内容はどれか。
A. 機能低下、体重減少、服薬状況、転倒の頻度などの変化 B. 私的な評価のみ C. 職員の愚痴 D. 他利用者の情報


7. 緊急時対応として訪問介護職がまず行うべき行動はどれか。
A. 状態を確認し必要に応じて救急要請および家族・医療機関へ連絡する。 B. すぐに帰宅する。 C. 何もしない。 D. SNSで発信する。


8. 介護プラン見直しの決定に最も関与すべき者はどれか。
A. 本人を中心に家族・多職種で協議して決定する。 B. 職員のみで決める。 C. 家族のみで勝手に決める。 D. 行政のみで決める。


9. ケアの優先順位を決める際に最も重視すべき観点はどれか。
A. 利用者の安全と日常生活の維持、本人の意思 B. 職員の労力のみ C. 家族の利益のみ D. 施設の収益のみ


10. この事例で介入後、改善が見られない場合の適切な対応はどれか。
A. 原因の再評価、多職種での再検討、支援方法の修正を行う。 B. 何もしないで放置する。 C. すぐに退所させる。 D. 家族に全責任を負わせる。



解答(1)A (2)A (3)B (4)A (5)A (6)A (7)A (8)A (9)A (10)A

最後に(予想の根拠と出題傾向)

本予想問題は、厚生労働省・試験実施団体が提示する「出題基準(試験科目)」に準拠して作成しています。科目配列や出題形式(四肢択一等)は公式資料に基づきました。

近年の出題傾向としては、(1)倫理・人権・尊厳に関する設問、(2)多職種連携や地域包括ケアに関する実践的な事例問題、(3)医療的ケア(喀痰吸引、経管栄養、感染対策)や高齢者の老化・フレイル、認知症ケアに関する実務的知識を問う問題の比重が高い点が挙げられます(上の問題群はこれらを重視して設計しています)。

※問題作成:おりかな

-ささやき(informations)
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