恐竜図鑑、買うときはここをチェック!
その記事は最新の研究成果を反映していますか? 内容の鮮度や著者の感度の高さをうかがい知るための指標です。
発行年をチェック!
古生物学、とりわけ恐竜に関する学説、常識といったものは日々新しいものが発表されてます。新しい発見があるたびにそれまでの常識が一気に塗り替えられることがしばしば起こっているのです。そのため、新しく恐竜図鑑を購入する場合には、なるべく発行年の新しいものを購入するべきです。より最新の発見や学説を反映した内容が書かれていることが期待できるでしょう。
著者名をチェック!
発行年が新しくても、著者の知識がアップデートされていなければ一昔前の内容しか書かれていない、といった残念な現象が発生してしまいます。現役の古生物学の研究者や、雑誌などでしばしば斬新な学説を紹介しているライターなど、常に最新の情報に触れている書き手かどうかも重要です。
写真やイラストをチェック!
さすがに最近はないと思いますが、一昔前のしっぽを引きずっているティラノサウルスや後ろ足で立ち上がったバロサウルスの画像をいまだに使っている書籍の場合はちょっと怪しいと思ったほうがいいでしょう。マメンチサウルスの頭部の写真がカマラサウルス型かディプロドクス型かに着目してもその記事を書いた人の情報が新しいか古いかがわかります。
恐竜の名前をチェック!
ブロントサウルスという恐竜は存在しません(存在しますがアパトサウルスとブロントサウルスは別種の恐竜です)! 同様にゴルゴサウルスも存在しません! 一般的に知られた恐竜の名称が変更されることはしばしばあります。名付けてみたけど先行する論文などですでにその名前が使用されていた、というケースなどで、そのような最新の名称が記事に反映されているかどうかをチェックすると著者や編集者の知識の鮮度や感度を知る指標となるでしょう。
鳥と恐竜の関係性をチェック!
鳥は恐竜の子孫だ! なんて書かれていると危ないです。少なくともティラノサウルスがどう進化しても鳥にはなりませんよ! 鳥と恐竜は三畳紀前後に枝分かれした共通の祖先をもった生物のグループです、ぐらいが正確だと思います。ロバート・バッカーのBCF理論あたりまでカバーしていると面白いと思います。
まとめ
夏といえば恐竜展の季節です。恐竜関係の書籍も大人気。もしかしたらあなたも恐竜図鑑を購入する機会があるかもしれません。でもちょっと待って! その恐竜図鑑に書かれている内容は最新の研究成果を反映していますか? 購入する前にここだけはチェックしたほうがいいですよ、といったチェック項目をあげてみました。ぜひ恐竜図鑑購入の際に参考にしてみてください。ちなみに私はあの羽毛の生えた恐竜の再現イラストにはどうしても魅力を感じないのですが(^_^;)